スピードライト199A


 キヤノンがAシリーズ用に発売したクリップオンタイプのストロボの最高級機。A−1と同時に発売された。Aシリーズ用のスピードライトの中ではクリップオンタイプでバウンスが出来るのはこの199Aだけである。ガイドナンバーも30mで大光量の部類に入り、専用ストロボということで、A−1につければ絞りもシャッタースピードも自動設定され「お任せラクチン」である。この「ストロボAE」が便利なのは、ストロボが充電完了するまでは、ふつうの(ストロボ以外の)AEとして機能する点である。ストロボ撮影用にX接点、オートストロボで設定した絞りに合わせておくと、ストロボが発光しなければただの「失敗写真」だが、Aシリーズの場合はちゃんとAEが機能する(もちろんスローシャッターになる可能性はあるが。)。また、ストロボAEと普通のAE撮影を繰り返し行う場合(おなじ撮影現場でストロボを焚いたり、自然光で撮影したりする場合)もストロボのスイッチを切るだけでOKなのは便利だ。
 ただ、欠点と言うほどでもないがAシリーズのカメラを複数使っていると、時々戸惑うことがある。例えば、A−1ならフルオート、カメラにお任せでOKなのだが、AV−1は絞りは自分で合わせなければならない。構造上仕方がないのは分かっているし、それくらい自分でやらなければならないのだが、でもちょっと残念といえば残念である。私は本当にAシリーズのカメラを複数同時に使うので実際に困ることもある。


 もう一つ言わせていただきたいのがこの重量である。490gといえば下手な一眼レフより重い。がっしりしてかっこいいのは魅力なのだがグリップタイプのストロボの並の重量があるのは正直言ってちょっときつい。

 ところで、これを言っては元も子もないのだが、はたしてストロボについては純正にこだわる必要はあるのだろうか。レンズならどうしてもFDと言う気持ちが起きるが、ストロボならサンパックでも十分ではないかと思う。ガイドナンバーは同じかそれ以上のものもあるし、バウンスは首振りまで出来る。、なんと言っても将来T−90やEOSを買ってもシューの交換だけで対応できる可能性がある。ついうっかりミノルタXDを買ってしまうようなことがあってもシューの交換で対応できる。と言うわけで私のところにはいつのまにかサンパックのストロボが5つもある。意味ない。