アイカップ

1個目のアイカップはA−1を買ったときにタダで付いてきた。基本的にはその程度のアクセサリーであると言うことをまず認識しておく必要なある。アイカップがまだ生産されていた頃は定価ベースでも1個500円くらいであったと記憶しているが、最近このアイカップも高騰しているという話を聞く。供給が絶たれ需要がれば、それはもう経済のルールに従って価格は上がってゆくのは仕方がない。ただ、元々が500円程度でカメラにタダで付いてくるものなのだから、高く売るにしても800円くらいが限度だろう。それ以上の値段で売買するのは「阿漕」だと思う。

アイカップというアクセサリーは人によって不要であったり、不可欠であったりするようだ。私は後者である。眼鏡をしているわけではないのだが、初めて使ったA−1のアイカップが秀逸であっため、その他の一眼レフカメラを使う場合もアイカップがなくてはならない身体になってしまった。ようは慣れの問題である。さて、アイカップフリークの私はいろいろなメーカーのアイカップを試してみたが、キヤノン、それもAシリーズのアイカップが一番しっくりくる。

アイカップはそもそもファインダーを覗くとき、接眼レンズと目の間から漏れる光を遮光するものである。人間の顔は様々だから、アイカップはある程度柔らかくて顔にフィットする必要がある。あるメーカーのアイカップはゴムの部分かまるでプラスチックのように堅く、人間の方がアイカップに合わせるという本末転倒な状況になってしまった。また、アイカップの深さがないと、まつげが接眼レンズやレンズの枠に触れて、くすぐったくて不快になる。深すぎるとファインダーの四周が一目で見わたせなくなる。フィルムを交換するためにいちいちアイカップを外さなければならないのも困りもの。外しやすくとれにくいと言う一見矛盾する性能(?)が求められる。いかがだろう、アイカップひとつにもこれだけ厳しい要求があるのがおわかりいただけだであろうか。そして私の拙い経験からもっとも優れたアイカップといえるのはキヤノンAシリーズのアイカップなのだ。

Aシリーズのアイカップはゴムが十分柔らかく顔にフィットし、深さも十分ある。ねじ式ではないので外すのも簡単。若干取れやすいような気もしないではないが、まあ我慢できる範囲だろう。と言うわけで私は他のメーカーのカメラにも可能であればAシリーズのアイカップをつけている。アサヒペンタックスのSシリーズには文句なくフィットする。

もし、Aシリーズ用のアイカップが必要な場合は焦らず探すことをお奨めする。アイカップは店によって値段がかなり違う。かつての定価以下で売っているようなことも少なくないし、阿漕な商売をしているところも散見されます。まあ、なくても気にならない方はそれまでなのだが。