コダックシグネット40のレストア

症状 
1.ファインダーの汚れ
2.二重像の上下のずれ
3.シャッター不動
4.絞り作動不良

せっかく手に入れたシグネットですが、とても撮影できる状態ではありませんでした。

まず、ファインダーの清掃からです。

1.軍艦部をはずす
軍艦部は二つのねじで止まっています。ねじをはずすためにはまず、巻き戻しクランクをはずさなければなりません。最初、普通のカメラと同じように、クランクとシャフトをはずそうとしましたがびくともしません。これは一体構造になっているようです。隙間から覗いてみると、銀色の細い棒がシャフトのくぼみをロックしています。精密ドライバーで細い棒を押し開きながら、巻き戻しクランクを回しながら持ち上げると、スポッと抜けました。ねじを二本はずして簡単に軍艦部がはずれました。


2.ファインダーの清掃
綿棒とレンズクリーナーでファインダー系のレンズだけ汚れを落としました。


3.二重像のずれ
二重像にずれがありましたので直しました。今回は距離計自体は問題なさそうだったので、上下方向だけ直しました。下の写真の赤矢印にところのねじが上下方向の調整ねじです。


4.シャッターの固着

レンズ全面から分解にかかりました。普通の精密ドライバーで分解可能です。レンズを本体からはずすためには裏蓋方向から、かに目で締め付けてあるリングをはずします。リングひとつではずれますが、シンクロコード用のリード線があるので、そのままでは完全にははずれません。シャッターだけなら本体からはずさずに作業できます。


 シャッター本体まで難なく到達。シャッターレバーとチャージされる部分に少しずつオイルを指します。すぐに復活しました。1のところは軸に少し、2はレバーの動きを見ながら全体に。
 今回は絞りの羽根の組み直しも必要だったので、シャッターユニットもはずします。シャッターチャージレバーの飾りねじをはずして、シャッターレバーとスローガバナーもはずします。シャッターユニットは3,4の二本のねじで止まっていますので、これをはずせば分離します。

シャッター部です。分解する前の写真は後から組み立てるときにものすごく大切になります
スローガバナーのギアをはずします。固定されていませんので、ひっくり返すと落ちてしまします。そうなる前にはずしておきます。高さの違うワッシャーの上にギアが載っています。
スローガバナー、シャッターレバーを完全にはずしました。この状態で2本のねじをはずせばシャッターははずれます。
シャッターをはずしました。これが問題の絞りです。これはきちんと付いている状態です。
シャッター部です。実はオイルを指しすぎたため逆に動きが悪くなり、再分解をしてふき取ったところです。
シャッターは単純な三枚構造です。


組立は分解の逆順でOKです。元通りに組み立てれば必ず動くところが機械式の良いところです。