キヤノン SURESHOT A−1

 私にとってはもっとも新しいA−1です。でも一眼レフではありません。水陸両用のオートフォーカスコンパクトカメラです。日本名はオートボーイD5。なぜか北米市場ではオートボーイという名前のカメラはなく、すべてSURE SHOTの名前が付いています。例えばオートボーイスーパーはSuperSureShot、オートボーイテレ6はSureShot MultiTeleと言った具合です。しかし、オートボーイ自体が英語なのになぜ、日米で別の名前なのでしょう。オートボーイと言う言葉から連想されることがあまり良くないのでしょうか?ASAHI PENTAX Kのように何か卑わいな意味を連想させる物だったのでしょうか?これは日本人の私には分かりません。
 言葉というのは難しい物で、文法的には正しくても、あるいは語幹として正しいような気がしても、じつはネイティブは絶対使わない表現というのがあります。私のオフィスには日本語を専攻している学生がよく遊びに来ます。ある時、男の学生がつたない日本語で言いました。「私は日本語教室のY先生(女性)とは特別な関係です。先生と生徒以上の関係です。」私はとりあえずぶっ飛びました。特別な関係!しかも先生と生徒の関係を超越している!!しかし実は彼はだた単にその先生と仲がいいと言うことを言いたかっただけなのです。特別仲がいいのですから彼にとっては「特別な関係」が正しい日本語と思ったようです。このように母国語として日本語を話していなければわかりにくい、言葉の機微と言うのもが存在するようです。
 
  そう言えば車も日米で名前が変わりますね。トヨタハイラックスサーフはこっちでは4RUNNERです。おもしろい例は、スズキのジムニーです。日本ではジムニー、アメリカではSAMURAI(さむらい)。逆だろう、と言う気がしますが。

 キヤノンの一眼レフはFDシリーズだった頃は日米で名前を変えることはあまりなかったのですが、EOSになってからは時々名前を変えることがあります。例えばKiss。大人気の普及機クラスのカメラで、日本では購買対象として女性をイメージしているのでこのようなソフトなネーミングになっているのだそうです。ミノルタのαSWEETも同じ様なコンセプトのネーミングでしょう。ところがこれが北米市場に上陸すると名前が変わってREBEL。反乱者とか反逆者と言う意味で、Kissとは似ても似つかない名前になっています。日本ではKissIII、アメリカでは反逆者2000(REBEL 2000)。どういう意図があってREBELなどという物騒な名前を付けたのでしょう。アメリカでは女性をターゲットにしたマーケッティングをしていなかったのでしょうか、それともアメリカ女性をターゲットにしたからこそ反逆者なのでしょうか?ちなみに私の家内は反逆者2000を使っています。EOS5系のカメラにはELAN(直感、第六感)と言う名前が付いています。

 さて、SureShotA−1の話のつもりがすっかり横道にそれてしまってどうしようかという感じです。私は文章を書いているとよく話がそれて収拾がつかなくなってしまって、結局タイトルを変更するという情けない事態に陥ります。今回ならさしずめ、「日米のカメラの名前に関する一考察」とでもして、雑文集に行くところです。しかし、今回は意地でも蛇足集に文章を置かせていただきます。強引に話を戻して、SureShotA−1ですが、去年の夏の旅行で海に行くことになり、力づくで買ったカメラです。日本にはニコノスVが控えているのですが、持ってこなかったのですからどうしようもありません。そもそもコロラド州には海がないのですが。高ければ買わずに我慢するところですが、通販で新品$129と言う微妙な値段がつけられています。当時は$1=¥105くらいでしたから、まあ、¥13,000。勢いで買ってしまいました。シャッターバグに毎月ものすごい量の広告を出しているB&Hと言う会社から買いました。
 SureShotA−1は水深5mまでOKですから、海辺で使うくらいなら何の問題もありません。モードはフルオート、ストロボ強制発光モード、強制不発光モードとマクロモードだけ。普通の撮影ならオートにしてあとはシャッターを押すだけです。レンズは水中撮影を考慮してかやや広角気味の32mmf2.8が付いています。使ってみた感じですが、とても使いやすいオートフォーカスカメラです。ほとんどの場合問題なくきれいに写りますし、悪天候下でも気兼ねなく使用できますのでこれはこれで便利です。プールやスキー場でも大活躍です。気軽に鞄に入れて持ち歩くにはちょっと大きいのですが、防水が売りののカメラですから普段持ち歩く物でもないでしょう。他に防水のカメラがあれば買う必要は全然ありませんが、この手のカメラは一台あれば便利だと思います。やはり最終的にキヤノンを買ってしまうあたり、私はキヤノン党です。






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