キヤノンAE−1 US.NAVY
品名:キヤノンAE−1
メーカー:キヤノン
落札時期:2000年10月
落札価格:$60

  キヤノンF−1やEFにUS.NAVYバージョンがあるのは知っていました。NewF−1にNAVYモデルがあるのはアメリカに来て知りました。しかし、AE−1にNAVYバージョンがあるとは、このオークションを見るまで知りませんでした。米海軍は何の目的でAE−1を使っていたのでしょう。たぶん限りなく民生用途に近い使い方だと思うのですが、それにしてもNAVYの刻印が入っているのは魅力です。しかし、このカメラ、オークションに出品されている時点ですでにキズモノでした。マウント部を覆っているカバーの一部が欠落しています。Canonの文字もありません。巻き戻しレバーもありません。ただ、オークションの説明には「完動品」と書いてあります。これはある意味お買い得かもしれません。外側のカバーや巻き戻しレバーはものがあれば別に何の苦労もなく修理可能です。パーツ用のAE−1はいくらでも売られていますし、いよいよになれば日本に帰ってから手持ちのパーツで修理してもOKです。と言うわけで、またしてもNAVYの名前に惹かれて落札してしまいました。

  ものはスムーズに届いたのですが、これがとんでもない代物でした。完動品なんて大嘘です。巻き上げレバーはぶらぶらしてギアにかみ合っていません。巻き戻しレバーの欠落ははじめから納得していたのですが、トップカバーの内部にある巻き戻しレバーと同軸のプーリーがありません。これではシャッターダイアルの動きをメカに伝えることはできませんし、こんな状態ではそもそも動くはずはありません。これは輸送中の損傷でも何でもなく、はじめから壊れていたものを売りつけたのです。「Good working condition!」はただの嘘だったのです。さてどうしてくれよう。
  まず、売り主に「カメラが全然動かないこと、本当にチェックしたのかどうか、したのならいつチェックしたのか」確認しました。売り主は「1週間前にチェックしたときは動いた」と返答してきました。あくまで言い張るつもりのようです。ただ、「大変申し訳ない」と言うような趣旨のことを言ってきていますので、こちらの方が優勢です。
  e−bayでは売り主に商品を正しく説明する責任があります。また、取引に関するトラブルには保険がかかっており、手続きは面倒ですが最悪の場合は保険による救済も可能です。今回の場合は明らかに売り主の詐欺ですから、向こうの対応が悪ければ法的手段に訴えることも可能でしょう。ただ、英語でそんなことをするのは面倒くさいですから、何とか穏便に解決したいものです。

  私は考えました。「このジャンクカメラがいくらだったら買うだろうか?」わたしはジャンクカメラには¥3,000以上は出しません。しかし、このUS.NAVYの刻印入りのトップカバーは十分価値があります。熟考の末、売り主にメールを送りました。「おまえの売ったカメラは全然動かないし、動くはずがない。あるべき場所に部品がないのだから絶対に動くわけがない。完動品という条件で買ったのだから、このままでは納得できない。$40のリファンドをお願いしたい。」つまり、私はこのカメラを「$20なら引き取ってもいい」と条件を提示したのです。むこうが断ってきた場合の処置についてもいろいろ考えていたのですが、売り主はあっさりリファンドに応じました。めでたしめでたしです。

  というわけで、あとから別のAE−1を手に入れてトップカバーを交換するという宿題が残ったのですが、この宿題はいまだ、手を着けておりません。アメリカを発つまでには何とかしたいものです。






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