A−1の改良


 カメラというものは発売になってからも改良に改良を加えられ徐々に完成度が高くなって行くものです。キヤノン旧F−1のように、ある時期に外観も含めて改良され、メーカーからもきちんとアナウンスされる例もありますが、どちらかと言えばこれはまれな例で、マイナーチェンジは水面下でわからないように進んで行くものです。
 キヤノンA−1に関しては外観上はっきりとわかるような改良は加えられませんでした。ですから初期型であっても末期型であってもそれを見た目で区別することは困難です。また、キヤノンからも正式なアナウンスはありませんから正確な情報は今のところありません。しかし、A−1のユーザーの中でささやかれている改良箇所があります。全くの根拠のない情報ですが、参考としてご紹介いたします。なお出所不明の噂の域を出ませんのでくれぐれも鵜呑みになさらぬよう、お願いいたします。


1.フォーカシングスクリーンが明るくなった
 キヤノンNewF−1やAE−1P用にブライトレーザーマットが開発されましたが、それに合わせてA−1用のスクリーンも明るいものに変わったという噂です。「レンズを絞り込んでもスプリットイメージが黒くならないニュースプリット」と言うのも同時に開発されましたが、これを装備したA−1は見たことがありません。ニュースプリットを採用せずにブライトレーザーマットだけを搭載するだろうか?と言う疑問は残ります。ただ、私が10数年ぶりにA−1を手にしたときに「こんなにファインダーが明るかったかな?」と思ったのは事実です。初代のシリアルが604012、2代目が2322658ですからこの間に相当な時期的な開きがあります。しかし実際に並べて比べたわけではないので何とも言えません。

2.電池の消費が改善されている
 A−1の欠陥とまで言われている電池消費の問題。考えてみればこの問題にキヤノンが何も対策を採らないとは思えません。噂によると比較的早い時期に対策が採られ改善が図られたという話です。しかし、改善後もやはり電池の消費は普通のカメラと比べて多めだったということで、A−1=電池喰いと言うレッテルが貼られたようです。別項でも述べていますが、私はA−1の電池消費量がとんでもないと思ったことはありません。ただ、人によっては「電源を切って保管していただけなのに数ヶ月で電池がなくなった」と言う話をされますので、時期によって電池の消費量に差があるのかもしれません。これも具体的に「シリアル番号何番から改良された」と言う話はありません。まあ、一般論として末期型の方が安全と言えるでしょう。

3.回路が変更されている
 これは当然なされているのではないかと思います。A−1は1978年に発売され1985年くらいに姿を消しています。この7年間で当然電子技術は進歩しチップも変わっていったことでしょうから、それに伴って回路が変わっていくのは当然だと思います。ただ、それによって操作が変わるとか性能が上がると言うことはなかったようです。電池消費の問題も案外この辺りの影響かもしれません。


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