キヤノンAE−1 US.NAVY

 e-bay日記にも書いたが、ジャンク状態で到着したAE−1である。AE−1も米国海軍に採用されたのだからなかなか大したものだ。「自動化を進め、撮影者の負担を軽くする」というAE−1のコンセプトは米国海軍にも受け入れられたのだろう。考えてみれば軍用カメラにもっとも強く求められることは「頑丈であること」と、「必ず写ること」だと思う。シビアな条件で撮影しなければならない場合は、露出計で露出を測っている暇も、追針式のメーターを合わせている暇も、巻き上げている暇もないかもしれない。実際1970年代中盤でこれらの要求を満たしていたのはキヤノンAE−1クラスだけだったのではなかろうか。しかし、このAE−1はいったいどのような用途で使われたのだろうか。米国海軍が使ったキヤノンEFは限りなく民生用途に近い使われ方をしたらしいから、このカメラも海軍基地内のスタジオで使われていたのかもしれない(夢のない想像ですみません)。

 このクラスのカメラを、軍用で使う場合問題になるのはやはり耐久性だと思う。たとえば陸軍の歩兵部隊が戦場に持っていって戦術的な写真を撮るというのであれば、泥や水に対する耐久性が求められる。いきおい、ニコノスシリーズかコニカ現場監督の登場になるだろう。また、陸軍の戦場であれば「電池がなくても一応動く」と言う性能も大切かもしれない。
 では海軍の場合はどうだろうか。何となく海軍であれば戦場というと船の上という気がする。そうなると潮風による錆が問題になるかもしれないが、プラスチックボディのAE−1は全然問題ない。電池の問題は確かに考えられるが、米国海軍の船は福利厚生施設が整っているそうで、写真小隊で必要量ストックしておけばいいだけだから、電池の問題もさほど深刻ではないかもしれない。電池の消費が過大であればこれまた問題かもしれないが、AE−1なら大丈夫だろう。A−1の海軍バージョンが見かけないのは案外こう言って理由からかもしれない。ちょっと悲しい。
 戦闘機にカメラが搭載される話はT−70のところで書いたが、ではそういうカメラが高機動、高Gの中で使われるかというと実はそうでもなさそうである。高Gをかけているときはパイロットは操縦に精一杯で写真を撮るどころではない。もちろん搭載されている以上カメラ自体が高Gに耐えられなければ話にならないが、撮影するときと言うのは水平直線飛行に近い状態が多いはずだと思う。空撮を得意とするカメラマンの場合はもしかすると高Gの中でシャッターを切るかもしれない。ちなみに6Gの時は体重が6倍になるそうだから、キヤノンAE−1はボディだけで3.5kgになる。やはり操縦をしながらの空撮はちょっと無理かもしれない。





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