オリンパスPENシリーズの中で特に初心者(というかカメラをあまり扱っていなかった階層)をターゲットにしたのが一連のPEN−EEシリーズである。PEN−EEシリーズもEESあたりは目測でピントを合わせるようになっているが、プレーンなPEN−EEシリーズはズイコー28mmF3.5のレンズを装備し露出は2速プログラムEE、固定焦点が共通の仕様である(初期のものには例外あり)。
PEN−EEはASA感度が200まで、ストロボ用の接点はあるがシューはなしという仕様以外は、その後のPEN−EEシリーズと大きく変わるところはない。露出が不足になると、赤いべろが出るのも同じである。これがEE−2になるとASA感度が400までになり、EE−3ではホットシューがつく。もともとが安価なカメラであり、使用するユーザー層を考えると、性能を上げて値上げするよりは似たような性能のまま値段も据え置いたほうが得策であったのだろう。
プログラムEEに固定焦点となると実際の撮影でユーザーがいじる場所はほとんどない。巻き上げてただシャッターを押すだけである。
当時はPEN−EE3の時代であり、手に入った時点でふた世代前のカメラであったが、とりあえずそれまで使っていたANNY−10は基本的におもちゃであり、PEN−EEはちゃんとしたカメラである。また、ボルタ判はモノクロフィルムしかなかったが、PEN−EEならカラーフィルムも使える。ホットシューがないためクリップオンタイプのストロボが使えないのは残念だが、小学生がストロボなどもっていようはずないので特に気にしない。ASA感度が200までなので当時売り出したばかりのASA400フィルムが使えないのも悔しかったが、そんなことを気にしても仕方がない。とりあえず、ちゃんとしたカメラが手に入ったのだ。それは喜ぶべきことである。
このカメラの写り具合であるが、残念ながら芳しくなかった。露出は問題ないのだが、どうもピントの甘い写真しか撮れなかった。「固定焦点なんてこの程度」と思っていたのだが、今になって考えると、あのピントの甘さは異常である。どうやらどこか狂っていたような気がする。同じ固定焦点のカメラであってももう少しまともな写真が撮れる。それでも結局2年くらいは使ったような気がする。