(1)プラスチックなボディ
AE−1から始まるAシリーズの特徴の一つにプラスチックボディがあげられます。正しくはABS樹脂と言うんだそうですが、まあ工業用プラスチックのようなものらしいです。私はA−1を初めて購入した時は(1980年)それがプラスチック製であるとは知りませんでした。ブラック塗装していますし、コーナーが剥げてきても、地金のような銅色が出てきたからです。どうやらそのもう一枚下まで剥げると、白いABS樹脂が顔を出すらしいのですが、意図しない限りそこまで行くことはめったにありません(まれに使い込まれたボディの角が白くなっているのを見ることがありますが)。
さて、ABS樹脂の問題点ですが、AE−1発売から25年経過した今、これといって見当たりません。金属製のカメラがへこむような落下をすればABS樹脂は場合によっては割れます。でもその場合は金属製でも無事ではありません。結局部品交換になるのですからABS樹脂製でも何ら変わらないでしょう。私は普通に使っていますが、ABS樹脂に問題を感じたことはありません。その後のカメラがプラスチック化の道を歩んだことが何よりの証拠になるでしょう。
昨今のカメラブームの主役は金属製カメラです。ご意見を伺うと「金属ボディのひんやりした感覚が良い」「ずっしりした重さが良い」という極めて感覚的な答えが返ってきます。これは個人の感覚の問題なので致し方ありません。実はかくいう私もその気持ちが理解できない訳ではないのです。金属カメラに信念を持っていらっしゃる方を説得するのは無理でしょう。自衛隊反対の人に安全保障上の防衛力の重要性を説くのは骨が折れるのと同じ事です。ちなみに軽いというのは本来なら欠点ではなく利点に数えられることです。
個人の信念は仕方ありませんので、ここは「プラスチックでも実質上はなんら問題はないよ」というだけにとどめておきましょう。
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