今年こそ、サンタクロースを見よう


まもなくクリスマスがやってきます。私はよくアメリカ人の友達に質問されます。

「日本でもクリスマスはあるの?」

もちろん日本にもクリスマスはあります。バブルの頃に比べればずいぶん地味になったでしょうが、都内の高級レストランやホテルは今年も予約で一杯なのではないでしょうか?
 クリスチャンが大多数のアメリカ人にとってクリスマス当日は教会に行って静かに過ごす日です。たいていのお店は閉まってしまい、ちょうど日本の元旦のような感じになります。そのかわりイブは大騒ぎしますし、12月に入ってからと言うものあらゆるところでクリスマスパーティが開かれプレゼントを交換し、みんなでクリスマスを楽しみます。私も幾多のパーティを乗り切ってきました。基本的に夫婦で参加が原則なのがアメリカのパーティの特徴です。
 デパートも既にバーゲン態勢です。子供達宛のプレゼントも集まってきました。ともかくこの国の人たちのクリスマスにかける熱意というのは日本人の比ではありません。

 ところで、サンタクロースって本当にいるのでしょうか?この古典的な疑問についてもアメリカ人達は真剣に考えてきました。有名なのがバージニアと言う8歳の女の子が新聞社に寄せた質問です。

 「編集者のみなさま、私は8歳です。私の友達がサンタクロースなんていないって言うんです。パパは「ザ・サン」(新聞の名前)に載っていればいるだろう、って言います。どうかサンタクロースがいるのかどうか本当のことを教えてください。」

 この質問に対する有名な答えがこちらです。このやりとりは1897年のことですが、この新聞社の答えはいまだに語り継がれています。

 バージニアの質問から100年以上たちました。その間、技術は飛躍的に進歩しました。アメリカでは1955年からクリスマスイブに飛行するサンタクロースの姿をとらえようと努力を続けてきました。
 私が住んでいるコロラドスプリングス市にはNORADという米軍の施設があります。NORADはアメリカ合衆国とカナダが共同で運用し、北米に対し空中からの攻撃がなされるおそれがある場合、もしくはなされた場合、情報を集めたり警告を出したりする施設です。NORADは世界中を飛んでいる衛星からの情報を収集し、ミサイルの発射や航空攻撃を早い段階で探知することが出来ます。
 NORADはその前身のCOLADの頃からその優れた探知能力を使って、サンタクロースの動きを追尾してきました。熱源を探知できるセンサーが赤鼻のトナカイ「ルドルフ」の鼻にロックオンしてサンタクロースの動きを逐一モニターできるのです。そもそもNORADは軍事施設ですのでサンタクロースの追尾が仕事ではありません。話は1955年までさかのぼります。コロラドスプリングスの新聞に「サンタと話ができるホットライン」の広告が載りました。しかし、その広告の電話番号は間違っていました。なんとNORADの電話番号だったのです。実際にNORADに子供からの電話がかかってしまいました。普通ならお詫び広告で終わるところですが、そこはアメリカ軍、総司令官の命令でサンタクロースの航跡がないかどうか確認することになりました。するとあったのです、北極からそれらしい航跡が。それからNORADは毎年サンタクロースの追跡を行うようになったのです。1998年からは追跡データを逐一ウェブ上で公開するようになりました。今年のクリスマスイブもNORADはその威信にかけて、サンタクロースを動きを追跡します。

 今年は是非子供と一緒にパソコンの前でサンタクロースの動きをモニターしましょう。
 サンタ追跡情報は以下のサイトです。

http://www.noradsanta.org


イラスト from http://www5.airnet.ne.jp/bigchief/






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