(7)シャッター鳴き

その昔初めてキヤノンA−1を買ったときは、将来このような問題が発生するとは夢にも思いませんでした。Aシリーズのシャッター鳴きはあまりに有名ですので、いまさらの感もあるのですが、でもこれはAシリーズを語る上で避けられない問題でしょう。Aシリーズのカメラは経年変化による潤滑油切れで、シャッターが不調になります。シャッターを切ると金属をこするような音がするようになります。軽いうちはときどき鳴く程度なのですが、重傷になるとミラーの動きが明らかに遅くなり、音もものすごくなります。「キュン」から「ガー」と言うような音になります。症状が重くなるに従ってシャッター速度にも影響が出るようになります。私の場合はA−1でこの不具合が発生しました。最終的にはシャッタースピードにばらつきが出るようになり、あきらめて分解清掃に出しました。ただ、この不具合は基本的に潤滑油をさせば直りますので、キヤノンが分解清掃を受け付ける限り修理は可能でしょう。すべてのAシリーズで発生するようです。これは欠陥ではないかという話もあるのですが、まあ、普通の使用ですと10年くらいは発生しないでしょうから経年変化と言われればそれまでです。キヤノンのカメラはその後も初期のEOSにシャッターユニットの不具合と言う、似たような不具合を発生させています。

ア 修理にはどれくらいの費用がかかるのでしょうか

基本的には、分解清掃ですので15,000円コースと言ったところでしょう。修理から帰ってくるときには、ファインダーもどこもかしこもすっかり綺麗になってきます。しかし!「15,000円なら程度のいいAE−1が買えますね」と言うあなたは鋭い。そこが問題なんです。相場30,000円のA−1ならともかく、AE−1やAV−1にはたして15,000円の分解清掃を施す価値があるのでしょうか?私はYESと言いたいです。ちまたの中古カメラ屋に15,000円で出ているAE−1もいつまで持つかわかりません。自分で分解清掃に出したものであれば当分は安心です。まあ、この辺りがAシリーズ不人気の大きな原因かも知れませんね。

イ 自分で修理は出来ないのでしょうか?

不可能ではないでしょうがかなりの技術が必要だと思います。インターネット上を探せば、自分で修理なさった方の体験記があると思います。潤滑油をさす場所にたどり着くためには相当奥まで分解しなければならないようです。簡単ではないらしいです。一部には底板をはずしてCRC556を振りかけると言うような荒技を主張される方もいるのですが、これは危険です。潤滑油が必要な場所とかけてはいけない場所は隣接しています。適当に振りかけたのでは必ずカメラにダメージを与えるそうです。また、CRC556の溶剤はプラスチックに悪影響があるそうで致命的なダメージなりかねないんだそうです。実は昔この事実を知らずにジャンクで買ったAE−1プログラムにCRC556を振りかけたことがあります。一時的にシャッター鳴きは収まったのですが半年もしないうちに再発し結局完全に壊れてしまいました。


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