ジョージ・イーストマン・ハウス見学記

この夏、私は東海岸に車で行って来ました。カナダのトロントからモントリオールに行ったのですが、せっかくですのでいったんアメリカに戻りロチェスターにあるジョージ・イーストマン・ハウスに行くことにしました。

ジョージ・イーストマンはご存じの通り、イーストマン・コダック社の創設者です。イーストマン・コダック社は今でこそ一介のフィルムメーカーですが、1900年代前半はまさに写真界をリードする存在でした。イーストマン・コダック社が節操なくロールフィルムのフォーマットを作ったため、一時期大量のロールフィルムが市場にあったのですが、ついに120フィルム以外は完全に淘汰されました。コダックがその影響力で写真界を動かしていたのは110フィルムまででしょう。ディスクフィルムはほとんど普及することなく終わりましたし、APSは多くの企業が初めから参加しており、コダック1社ではもはや世の中は動かないことを証明したようなものです。しかし、そうはいってもコダックは大企業でその力はもちろん侮れません。愛国者の私としてはフジに頑張って欲しいところです。そのコダック社の創始者の家がジョージ・イーストマン・ハウスなのです。

当初私は、カメラ博物館のようなものを想像していました。そこはアメリカですから、ありとあらゆるカメラが展示されているのではないかと、勇んでいったのですが、実は全然違うコンセプトの建物でした。基本的にジョージ・イーストマン・ハウスは1900年代前半の裕福なアメリカ人の家を保存し展示してあるものです。ですから、主な展示品は家、そのものでした。確かにものすごい豪邸で、豪華なダイニングや客室、ジョージ・イーストマンの執務室などは見応えがありました。ただ、カメラを期待していった者としては若干物足りないものを感じたのも否定できません。カメラとして展示してあったのはブローニー一族だけ、あとは、カメラの進歩を一覧表にした年表、そして子供コーナーにさわれるカメラ(ジャンク品)が数台置いてあったくらいでした。どうも私の当初の認識が誤っていたようです。

ジョージ・イーストマン・ハウス自体は非常に立派で良くできていましたし、我々の想像を絶するアメリカの豪邸は見る価値があります。展示室の写真はダゲレオタイプで撮影された貴重な写真もあり、十分に価値のあるものです。ただ、常設展として置いてあるのは20畳程度の展示室1室だけですので、規模の面でも過大な期待は禁物でしょう。訪れる人を見ても、カメラや写真好きと言うよりは古き良き時代のアメリカの建物を楽しんでいるという風でした。

ブローニー一族

イーストマンハウスの年表(キヤノンAE−1)

問題点はなんといってもアクセスでしょう。ニューヨーク州にあるのですが、観光で訪れるマンハッタン島エリアからですとニューヨーク州を縦断することになり、車で片道6時間以上もかかってしまいます。かえってカナダのトロントからの方が近いのですが、それにしても車で約2時間、しかも国境をまたぎますのでちょっと気が重いところです。どちらにしろ車なしでは厳しいでしょう。ロチェスターは日本からだとどのようなアクセスになるのでしょうか?





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